海外事情
キューバ・モデルの現状と展望―Vedado Educational Polyclinicでの医学実習を通じて
岡田 随象
1
1東京大学医学部医学科
pp.305-307
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100068
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キューバ共和国はカリブ海中央に位置する島国であり,面積は11.1万km2,人口1,100万人を擁する.公用語はスペイン語,通貨はペソである(1ドル=26ペソ:2004年10月現在).米フロリダ州の対岸に位置する首都ハバナには220万人が住む.1959年のキューバ革命以来社会主義国家として歩み,カストロ議長の指導のもと,独自の社会政策を実施してきた.
プライマリケアに重点を置いた同国の医療制度は優れた健康水準を達成し,「キューバ・モデル」として公衆衛生学の見地より国際的な注目を浴びてきた.しかし一方で,政治的背景よりその詳細が語られてこなかったのも事実である.
筆者は2004年2月に本学のClinical Clerkship制度を利用して,首都ハバナのVedado Educational Polyclinicで1カ月間の実習を行った.キューバ・モデルの実情を体験できたことに加え,変革期を迎えつつあるキューバ社会での生活を通じて多くのことを学ぶことができた.
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