臨床実験
Educational Visual Efficiencyに就いて
大山 信郞
1
,
新谷 重夫
1
1日大眼科
pp.904-907
発行日 1955年6月15日
Published Date 1955/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202254
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私共はさきに視力障害者の視機能に就て調べ,盲・弱視の限界を教育方法の立場より夫々視力,視野に関して定めたが,その際盲弱視という特定の場合のみならず一般に視機能が低下した時それに応じて如何程に能率が低下するかを決定することが出来たならば極めて便利であろうと思つた。このような問題についての研究は既に工業の面に於ては眼外傷等に関聯してIndustrial VisualEfficiency (以下I.V.E.とす)として取扱われているものであるが,私共は之を教育の面に導入して考えてみようとした。即ちI.V.E.に対してEducational Visual Efficiency (以下E.V.E.とす)の確立をめざしたのである。E.V.E.の研究に於てもI.V.E.に於けると同様に種々の視力障害者に就て教育の場にてのハンデキヤツプの程度を臨床的に観察を行い,之に並行して実験的観察を加え,更に数学的取扱いを行つて始めて,ある結論に達し得られると思われる。而して一体I.V.E.と別にE.V.Eが存在するかは疑問とするところではあるが,盲の定義が前報に述べた如く種々のものが存在するように,工業に於ける場と教育に於ける場とではそこにある程度の差が認められる故に,一応別に考える必要もあるのではないかと思い検討を加えた次第である。
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