グラビヤ
のびのびと育つキューバの幼児たち—キューバのゴールデン・エイジ養育院
pp.6-8
発行日 1966年1月10日
Published Date 1966/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203533
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ハバナの中央,ちょうどMaceo公園の前にある"子ども収容所"は,革命によって一掃された。その建物には,回転式エレベーターがついていて,革命前の混乱した社会にはびこっていた腐敗の産物,すなわち上流階級の女の子が生んだ子どもや,子どもがいては経済的に生活していけない不幸な女たちの生んだ"親なし子"が,ひそかに収容されていた。両親のいない子ども,名前のない子どもたちが,将来どんなふうになるかそのあてもなく,ただ彼らの新らしい別の生活だけが残されているだけだった。すべては,身元不明の母親の子どもを隠すための,偽善的な慈善事業であった。
革命が勝利のうちに終わった後の数年間に,これらの子どもたちは,それぞれの教育施設へ移され,同時にどんな環境にいる子どもであろうとも,親から離れて生活しなければならない子どものための養育院がつくられた。孤児,母親が伝染病のために入院していたり,あるいは精神的肉体的にリハビリテーション訓練を受けているなど,そういった環境の子どもはすべて受け入れられる。
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