連載 成果につながる保健指導 対象を読み解く病態理解とアセスメント・8
保健指導で対象者に向き合うために—連載のまとめ①
野口 緑
1
1大阪大学大学院医学系研究科公衆衛生学
pp.172-176
発行日 2025年4月10日
Published Date 2025/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134883330810020172
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行動変容促進の基本原則
●行動変容を促す「自分事化」
これまで7回にわたって、「成果につながる保健指導」の基本的な考え方や、基本的なスキル、展開方法について説明してきました。対象者の新たな行動を促すためには、無自覚に進んでいる代謝異常や血管障害を「自分事化」することが何よりも重要で、保健指導はそのためのコミュニケーションのプロセスだと言ってもよいでしょう。
「自分事化」させるコミュニケーションとは、“休肝日を増やしましょう”や“甘いものを減らしましょう”など、修正が必要な生活習慣をどのようにしたら実行・継続できるかをディスカッションすることではありません。「自分事化」するためには、対象者の頭の中で“体や血管で何がどのように起こっているのか”、“今後どのような変化、臓器障害に至る恐れがあるのか”について、イメージが膨らむような説明や問いかけをすることが不可欠になります。これが行動変容の基本的な考え方です(図1)。

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