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特集 災害支援経験から学ぶ災害への備え
東日本大震災から取り組んできた活動—厄災に備えるための2つの使命
The Activities We Have Been Undertaking since the Great East Japan Earthquake—Two Missions to Prepare for Calamities
内出 幸美
1
Yukimi Uchide
1
1社会福祉法人典人会
1Tenjin-kai Social Welfare Foundation
pp.5-10
発行日 2024年7月31日
Published Date 2024/7/31
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Ⅰ.はじめに
13年前の東日本大震災,筆者らは,人間としての本質的なことに気づかされ深い学びを得た.この体験から,筆者の所属する法人では,独自に災害介護派遣チーム(DCAT;disaster care assistance team)を創設した.2016年4月の熊本地震,8月の岩手県での台風10号による水害,2018年9月の北海道胆振東部地震,2024年元旦の能登半島地震等において,DCATとして介護施設や避難所等で活動を行っている.これら厄災からの学びは,災害時の大切な価値観は,「全員の命と暮らしを守り抜くこと」「厄災に強いまちづくり」の使命をもつことであった.その使命を全うするため,筆者らは,災害の備えとして,命と暮らしを守るための“DCAT”創設と普及啓発,そして厄災に強い町づくりのため,平時も災害時もケア拠点になり得る多世代が集う“居場所づくり”などに取り組んできた.それらに通底するものとして,“思いやり・情け深い関係性”の考え方がある.
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