Japanese
English
巻頭言
始まりの春に高齢者ケアを思索する
Reflecting on Elderly Care at the Beginning of Spring
原 祥子
1
Sachiko Hara
1
1島根大学医学部看護学科
1School of Nursing,Faculty of Medicine,Shimane University
pp.3-4
発行日 2024年7月31日
Published Date 2024/7/31
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4月(2024年)が始まり,桜のころを迎えている.多くの職場では新しい職員を迎え入れ,大学等の教育機関には入学したての学生の姿が溢れ,彼らの笑顔と声が職場やキャンパスを明るくしてくれていることと思う.臨床にいると,「今年の桜をみることができた」とか「次の桜をみるまで生きたい」という療養高齢者の声や,「なんとか桜をみせてやりたい」という家族の言葉をよく聞く.これは,昔も今も変わらない.私たち日本人にとって,桜(のころ)には特別な意味合いがあるのだろう.桜(のころ)は,始まりであり,その人が置かれた状況での起点のように映るのかもしれない.
2020年に入ってから,新型コロナウイルス感染症が拡大し続け,ここ数年においては対面での学術集会を開催することができなかった.2024年6月,ようやく,日本老年看護学会第29回学術集会が完全対面で開催される.老年看護の実践者や教育・研究者が現地で出会い,「老年看護のしんか—進化・深化・真価—」をテーマに討論する,そんなコロナ禍前には当たり前にあった学会活動が戻ってくる.仲間と場(空間や時間)を共有し,老年看護を語り合うこと,それをまた始めよう.
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