ある地方医の手紙・21
さまよえる厄病神(2)
穴澤 咊光
1
1穴澤病院
pp.418-419
発行日 1974年3月10日
Published Date 1974/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205368
- 有料閲覧
- 文献概要
(前号より続く)
当院結核病棟でひんぽんとおこった盗難事件は,やがて未解決のままウヤムヤになってしまいました.方方の病院を流れ歩いた「さまよえる結核患者」のBに重大な容疑があることはもちろんですが,長年の療養生活で病院ズレし,六法全書を研究して,「憲法」や「人権」を口実に,自分が排菌のある「重症患者」であることを楯にとって法の追及を免れようとするBを,確証もないのに逮捕留置することは困難であるというのが警察の係官の告白でした.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.