連載
THE Editorials
pp.300-302
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360330030300
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New England Journal of Medicine
Editorial:
Rubin EJ. Risk and benefit. N Engl J Med 2025;393:1533-4.
■計り知れないワクチン接種の恩恵
われわれの生活は判断の連続である。判断するには多くの要因について考察する必要がある。投資ではハイリスクハイリターンが選択されることもあるが,こと医療においては安全性が最優先される。“first do no harm”というヒポクラテスの誓いは,中心的な概念である。天然痘に始まり,破傷風,ポリオ,麻疹,インフルエンザなど,最近では子宮頸癌,COVID-19に至るまで,致死的な,あるいは社会生活を脅かすような疾病に対する各種のワクチンが開発され,人類の健康維持のために活用されてきた。本論文のタイトルにあるように,ワクチン接種のベネフィットのほうがリスクをはるかに上回ると考えられてきたからである。
ワクチンの副反応は,比較的頻度が高い発熱や注射部位の痛み,疲労感といった軽微なものから,100万回あたり数例程度発生するアナフィラキシーや死亡などの重篤なものまでさまざまである。米国における交通事故死の生涯リスクが1%超であるのに対し,ワクチン接種に伴う重大リスクは0.1%未満と考えられている。ワクチン接種におけるベネフィット/リスク比はきわめて高いと考えられる。

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