徹底分析シリーズ 歯科麻酔科医のこれから—医科麻酔科研修でのギャップを埋める
巻頭言
塚本 真規
1
,
五代 幸平
2
1鹿児島大学病院 全身管理歯科治療部
2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 侵襲制御学
pp.967
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320100967
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- 文献概要
歯科麻酔科医と医科麻酔科医は,ともに麻酔を専門とするが,実は交流は多くない。そのため医科麻酔科医は,歯科医の医科麻酔科研修時に戸惑うことがある。それは,歯科医が研修に何を求めているかを正しく把握できていないからかもしれない。医科麻酔科研修にくる歯科医が皆,歯科麻酔科医を志しているわけではなく,目指す到達レベルや麻酔を学ぶ動機,歯科医としてのキャリアプランなどはさまざまである。例えば,口腔外科や小児歯科を専門とするための全身管理を学びたいと考える者もいれば,静脈内鎮静法の安全性を高めたいと考える歯科開業医もいる。さらには,いずれは基礎医学の研究者をめざす者まで存在する。医科麻酔科研修を希望する歯科医の背景や目的は多様なので,医科麻酔科研修で「何を習得したいのか」を事前にすり合わせることが重要となる。そして,両者の役割には相違があるが,患者の安全を第一に考える姿勢は共通している。そのため,互いの立場や目標を理解し,共通する基盤を確認することで研修はより実りあるものとなり,双方にとって有意義な学びの場となるだろう。
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