徹底分析シリーズ 周術期の画像診断—きほんの「き」
巻頭言
五代 幸平
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 侵襲制御学
pp.281
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201614
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- 文献概要
麻酔科医・集中治療医であれば,毎日のように患者の胸部X線写真を見ているだろう。しかし,系統的に読影のトレーニングを受けた経験のある人は少ないのではないだろうか。また,気管チューブや中心静脈カテーテルの位置確認などの麻酔・集中治療領域に必要な読影と,放射線診断目的の読影はまったく異なる。そこで麻酔・集中治療領域に特化した画像診断を特集することにした。
ポータブルX線写真の読影を放射線科医が行っている施設は少ないだろう。しかし私が初期研修を行った藤沢市民病院では,ポータブルX線写真も放射線科医が読影を行っていた。そのためもあって,私は初期研修医2年目のころに放射線診断科で1か月間,研修として胸部X線写真のみを毎日読影した。系統的に読影のトレーニングを受けたその1か月間の経験が,現在の周術期管理に生かされていると強く感じている。その初期研修医時代の恩師に今回,術後合併症の画像診断について解説していただいた。当時を思い出しながら,読影ポイントを再確認することができた。
今回の徹底分析シリーズでは,画像診断を行うことで周術期・集中治療管理が変わり得るもの,つまり「実際に現場で使える」コツと注目点について,エキスパートの方々に執筆いただいた。ぜひとも日々の診療に生かしてもらいたい。
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