特集 現場発! 継続的な質改善をかなえる組織づくり 患者中心の理念を基盤とする聖隷浜松病院のガバナンスとCQI活動
PART6 他部門におけるCQIサークル活動事例
—【コラム】—医師の視点から
祢里 真也
1
1社会福祉法人聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷浜松病院 放射線治療センター
pp.273
発行日 2026年3月10日
Published Date 2026/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091713550360030273
- 有料閲覧
- 文献概要
放射線部のCQIサークル活動の特徴は,縦割りで多岐にわたる業務を抱える組織構造の中でも,「現場からの気づき」を継続的に改善へつなげてきた点です。一般撮影,CT,MRI,核医学,放射線治療など,日常業務が物理的にも離れた環境で進むにもかかわらず,部内委員会やCQIサークルを通じて横断的なコミュニケーションを形成し,問題解決のプロセスを日常業務に組み込んでいることは特筆に値します。
特に印象的なのは,ヒヤリ・ハット報告への積極性が組織文化として根付いたことです。インシデント・アクシデント(IA)報告には「ネガティブなことを申告する」という心理的抵抗があるのが一般的ですが,放射線部では“責めるための報告”ではなく,“同じ場面で誰かを守る知識の共有”として理解されています。その結果,報告件数が顕著に増加し,安全管理委員会と連携しながら部門横断的な改善へとつなげてきました。医療安全において,報告文化の醸成は最も重要な基盤の1つであり,この成果は現場の主体性の高さを示しています。
Copyright © 2026, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.

