特集 身体拘束最小化を実現するための倫理的問い 診療報酬改定を受け,踏まえておくべき視点・論点
身体拘束最小化に向けた看護実践のあり方とは—倫理的な問いかけが育てる感性
桐山 啓一郎
1
1名古屋市立大学大学院看護学研究科精神保健看護学
pp.938-943
発行日 2025年11月10日
Published Date 2025/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091713550350110938
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2024年度診療報酬改定における入院料の通則改定により,身体的拘束最小化が施設基準として明確化され,未実施施設は減算の対象となりました。全ての医療機関において,さらなる取り組みが求められています。この取り組みを形骸化させず継続するには,拘束をする/しないといった表面的な観点にとどまらない本質的な論点を整理し,踏まえる必要があります。
本特集の総論として,身体拘束最小化について倫理的な観点からも長年にわたり調査研究活動を行う桐山氏に,看護実践者が考慮すべき点について多元的に述べていただきます。
なお,この度減算の対象となったのは身体的拘束(フィジカルロック)ですが,本稿ではフィジカルロック,ドラッグロック,スピーチロックを含む従来のやや広い拘束の概念を「身体拘束」と表します。筆者は,後者にも敏感であることを重視しています。

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