特集 内部障害のある人への作業療法—疾患別にみるリスク管理と生活支援の実践
扉
井上 紳也
1
,
江藤 文夫
2
,
中村 春基
3
1神戸リハビリテーション病院
2国立障害者リハビリテーションセンター
3千里リハビリテーション病院
pp.315
発行日 2026年4月15日
Published Date 2026/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540600040315
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特集にあたって
内部障害のある人々の生活は,外見からは捉えにくい困難に加え,病状の変化や多疾患併存といった複雑さを抱えています.本特集では,心疾患・呼吸器疾患・腎疾患・代謝疾患といったリハビリテーションの主要領域を統合的に捉え,病期を超えて生活を支える作業療法の実践知を横断的に示すことを目的としました.
ICUから在宅に至るまで切れ目のない支援を実現するためには,医学的リスクの理解と同時に,生活文脈に根ざした観察と介入が不可欠です.たとえば心疾患・呼吸器疾患領域では,「大切な活動への関与が呼吸困難の捉え方を変容させる」ことが示され,症状と活動を結び付けた支援の重要性が強調されています.また総合診療医は「検査値だけではみえない生活機能の変化」を重視し,作業療法士に生活場面の可視化を期待しています.さらに腎・代謝疾患領域では,治療負担や自己管理の複雑さに対し,「生活行動の再設計」を通して継続可能なセルフマネジメントを支える視点が求められます.そこには,疾患管理と生活の意味づけを統合する視座があり,対象者にとっての「その人らしい生活」を軸に医療と日常をつなぐ実践にこそ,作業療法らしさが表れます.

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