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特集にあたって
理学療法士及び作業療法士法が施行されたのは1965年(昭和40年)のことである.その前年に東京オリンピックが開催され,1965年に国内で初めて全国身体障害者スポーツ大会が開催されている.来年は法律が施行されて50年,障害者スポーツ大会が開催されて50年である.私たちOTが発展してきたように,障害者スポーツもリハの延長線上のスポーツではなく,競技スポーツへと発展している.このことは1964年(昭和39年)東京オリンピックに託された役目だったとも思える.スポーツは健康増進として,レクリエーションから競技スポーツ等,多様な目的に応じて行える活動の一つで,社会的リハの一手段としても活用でき,多彩な効果を得ることができる.
今回は2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催を受けて,1人でも多くのOTがスポーツの価値を見いだし,治療手段として,訓練手段として,健康増進として,社会参加の一手段として活用していただきたいと思い,特集を企画した.リハの精神ともいえる名言「失ったものを数えるな,残されたものを最大限に生かせ」はパラリンピックの父とされるLudwig Guttmanの言葉であったことをご存じであろうか.1964年に開催された全国障害者スポーツ大会の意義について君島氏に詳しく論じていただいている.50年前の全国身体障害者スポーツ大会の始まりから最近のパラリンピックの様子,国内外の競技スポーツの紹介,障害別にみたスポーツの特徴や課題について,歴史的,包括的,国際的に記載されている.ぜひ,すべての稿をご覧いただき,スポーツのすそ野を広げることや,競技団体に参加していただくこと等で,東京オリンピック・パラリンピック成功に向けて,多くのOTがかかわってくださることを期待する.
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