特集 行政の作業療法士の仕事
扉
安本 勝博
1
,
中村 春基
2
,
竹内 さをり
3
1岡山県 津山市役所
2千里リハビリテーション病院
3甲南女子大学
pp.217
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590030217
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特集にあたって
行政(国,都道府県,市町村)に作業療法士が勤務するきっかけとなったのは,1983年(昭和58年)に施行された老人保健法です.疾病の予防,治療,機能訓練等の保健事業を総合的に実施するとされており,老人保健法の実施主体である市町村が,機能訓練事業を円滑に行うため,作業療法士や理学療法士を市町村独自で雇用する動きへと広がっていきました.その後,超高齢化や作業療法士の専門性の高さ等を背景に,介護保険法に基づく介護予防や住宅改修業務,身体障害者(児)等への補装具や日常生活用具の交付,就学や就労支援,発達支援や療育,生活習慣病対策等の保健指導や健康づくりに関する業務等,配属先は多岐にわたっています.
行政には,作業療法士を含むリハビリテーション専門職を必ず配置しなければならないという必置義務は存在しません.つまり作業療法士を採用するかどうかは,各事業の必要性に応じて自治体が判断することとなります.国,都道府県,市町村に勤務する作業療法士の活動を知ることで,行政との幅広い連携を考えたり,行政に勤務する作業療法士が増えることは,ひいては国民の健康支援につながるという気づきとなれば幸いです.

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