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特集 わくわくできるキャリアをつくる—作業療法士のキャリアパス,キャリアデザイン
地域課題に挑む作業療法士のキャリアストーリー
A career story of an occupational therapist trying to solve community issues
辰己 一彦
1
Kazuhiko Tatsumi
1
1株式会社UTケアシステム
pp.13-19
発行日 2025年1月15日
Published Date 2025/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590010013
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Key Questions
Q1:想いに比例するキャリアデザインとはどのようなものか?
Q2:地域課題に対する挑戦とは何か?
Q3:キャリアデザインモデルとは?
はじめに,「わくわくできるキャリア」とは一体何でしょうか.言葉からひもとくと「将来に期待をもちながら積み重ねていく実地の経験」といえるかもしれません.この未来志向型のキャリアデザインをイメージしながら働くことはなかなか難しいもので,かくいう私も振り返ると,イメージできていたかは疑問です.新人時代は,ただがむしゃらに働いており,目の前のことしか見えていなかったように思えます.しかし,心にしっかり刻んでいたのは,「作業療法を届けたい」という想いと「地域の課題解決に挑みたい」という願いでした.この想いを実直に通した結果が,現在に至っているのだと思います.キャリアデザインは,他者からの影響を受けることが多いとされます.私の経験が皆さんにどのように影響を及ぼすかどうかはわかりませんが,これまでどのようなキャリアを経て現在に至ったかをお伝えし,皆さんの今後の未来設計のヒントになればと思います.
私は学生時代,国際生活機能分類(ICF)を軸とした作業療法を学んでいました.ご存じのように,ICFは生活機能を全体として捉えることができ,作業療法とはとても親和性の高いものです.しかし当時,私の頭の中にあったキャリアデザインは,「まずは,病院に就職して医学モデルを中心として学び実践するのだろう」といった漠然としたものでした.
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