紹介
脳卒中患者に対するオーダーメイド治療用長下肢装具作製に向けた組織体制構築—装具療法後進組織における執念の“現状打破”
五月女 宗史
1
,
榊原 巧馬
1
,
渡部 夏樹
1
,
千本木 宏道
1
Takashi SOUTOME
1
,
Takuma SAKAKIBARA
1
,
Natsuki WATANABE
1
,
Hiromichi SEMBONGI
1
1社会医療法人中山会宇都宮記念病院リハビリテーション科
pp.871-873
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590070871
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まえがき
脳卒中理学療法において,発症早期から長下肢装具(knee-ankle-foot orthosis:KAFO)を用いた立位・歩行練習が推奨されている.「脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕」1)では,「脳卒中後片麻痺で膝伸展筋筋力もしくは股関節周囲筋筋力が十分でない患者に対して,歩行機能を訓練するために長下肢装具を使用することは妥当である」とされており,また「脳卒中理学療法ガイドライン」2)でも「立位・歩行障害を有する脳卒中患者に対して下肢装具療法を行うことを条件付きで推奨する」と明記されている.
なかでもKAFOは備品装具よりもオーダーメイド装具のほうが,多くのメリットがある3)といわれている.しかしながら急性期病院では本人用装具を作製する機会が少なく,本人用または備品装具を用いた早期立位・歩行練習の実施が十分に行えていない4)状況がある.KAFOを積極的に作製する施設がある一方,そうでない施設も多く,筆者らの施設は後者であり,KAFOの作製に承認が下りていなかった.

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