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特集 義肢・装具
脳卒中片麻痺患者に対する長下肢装具のフォロー・アップ
A Follow-up Study of Knee Ankle Foot Orthoses in Hemiplegic Patients: Experiences of 66 Cases.
石神 重信
1
,
斎藤 英彦
2
,
斎藤 茂喜
2
,
斎藤 稔
2
,
堀 信義
2
,
山田 雪雄
2
Shigenobu Ishigami
1
,
Hidehiko Saito
2
,
Shigeki Saito
2
,
Minoru Saito
2
,
Nobuyoshi Hori
2
,
Yukio Yamada
2
1防衛医科大学校リハビリテーション部
2鹿教湯総合リハビリテーション研究所
1Department of Rehabilitation, National Defense Medical College.
2Kakeyu Rehabilitation Research Center.
キーワード:
脳卒中
,
長下肢装具
Keyword:
脳卒中
,
長下肢装具
pp.967-971
発行日 1980年12月10日
Published Date 1980/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104436
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はじめに
脳卒中片麻痺患者の歩行障害に対して,最も使用頻度の高い下肢装具は,短下肢装具(AFO,Ankle Foot Orthosis)である.
長下肢装具(KAFO,Knee Ankle Foot Orthosis)は,一般に,前者により補助代償できない重度の機能障害の場合に用いられる.すなわち,遅延する運動回復による筋力,とくに大腿四頭筋の筋力低下からくる患肢体重負荷が困難である場合や,優位な屈曲共同運動パターンのために膝伸展が不可能な場合など,支持性の増強を目的に処方されるのが一般的であろう.また膝の屈曲拘縮や反張膝に対しての変形の予防や矯正の意味を支持性の増強とともに加える場合などに用いられることもある.
理学療法での歩行訓練初期に,よく使用される膝装具(knee cage)は,このタイプの装具の一時的使用とも考えてよかろう.
長下肢装具を片麻痺に処方するにあたっての注意点は,支持性の回復等症状の改善と共に早期に短下肢装具への変更(通常はカットして膝下部をのこす)等を考慮しなければならないことであろう.すなわち,機能の回復過程に使用される一時的な使用が一般的である.機能回復が限界と考えられる症例への使用に関しては,リハ治療効果が実用歩行にいたらない場合が多いことから,装具の処方に対して否定的な見解をとるリハ関係者が多い.しかしながら,長下肢装具に対する統一的な見解がなく,長下肢装具の実際の使用状況に触れた文献は内外を通じて殆んどないといって差つかえなかろう.
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