連載 私のターニングポイント・第48回
脳卒中理学療法トップランナーとの邂逅が,私にもたらした現状打破
五月女 宗史
1
1社会医療法人中山会宇都宮記念病院リハビリテーション科
pp.85
発行日 2024年1月15日
Published Date 2024/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203319
- 有料閲覧
- 文献概要
社会人を経て31歳で理学療法士になり,急性期病院に就職しました.安定した生活と,回り道をしてようやく理学療法士になった満足感から,最初の5年間は,仕事をこなしつつも自己研鑽の程度は及第点,「このまま定年まで働ければ」と思っていました.
しかし,2016年に仙台で行われた脳卒中理学療法の研修で,阿部浩明先生(福島県立医科大学)と吉尾雅春先生(千里リハビリテーション病院)の講演が,そんな私を一変させます.脳卒中は脳のシステム障害であり,脳画像所見から障害を適切に評価すること,重度麻痺患者に対して長下肢装具を積極的に使用し歩行へと展開させること,などの内容は学生時代と臨床で学んだ経験とはまったく異なり,驚愕し,まさに雷に打たれたような衝撃でした.自らの膨大なデータを駆使し,科学的根拠をもって論理的に話をされており,こんなにもすごい理学療法士が存在していること,そして真摯に理学療法に向き合う姿勢,患者さんをよくしようと尽力する強い矜持を感じました.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.