連載 臨床実習サブノート 「どれくらい運動させていいかわからない」をどう克服するか・第12回【最終回】
—循環器疾患—心不全に対する全身持久力増強運動
西川 淳一
1
Junichi NISHIKAWA
1
1帝京大学医学部附属病院リハビリテーション部・心臓リハビリテーションセンター
pp.363-369
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590030363
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心臓は全身に血液を巡らせるため,絶え間なく「収縮」と「拡張」を繰り返しています.こうした心臓の機能に障害が生じた結果,日常生活において呼吸困難感,倦怠感,浮腫などが出現し,運動耐容能に低下を来す病態を心不全といいます.心臓のポンプ機能に障害を生じさせる原因には,虚血性心疾患,高血圧,弁膜症,不整脈,心筋症などの既往が挙げられます.一方,心不全患者に対する全身持久力増強運動は,対象の運動耐容能やQOLを改善させ,生命予後を改善させることが報告されています1).そのため全身持久力増強運動は心不全患者に対する重要な治療として認知されています.
それでは以下に示す心不全患者を例に,全身持久力増強運動の実際について説明します.
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2028年3月31日).

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