連載 私のターニングポイント・第62回
意志を行動へ
武田 将英
1
1横須賀共済病院リハビリテーション科
pp.345
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590030345
- 有料閲覧
- 文献概要
私のターニングポイントは,令和6年能登半島地震で災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team:DMAT)の一員として,現地で災害支援活動に従事したことだ.DMATは全国の災害拠点病院に置かれ,「防ぎ得た災害死を1人でも少なくする」といった志のもと活動が行われる.それぞれ4〜5名の医療従事者(医師・看護師・業務調整員)により,チームが構成される.
今回,私は業務調整員という立場で活動をした.業務調整員には医療業務以外のすべてのことが求められる.例えば,災害時にweb上のシステムを使用し,自分たちのチーム活動状況を入力することや,被災地の情報収集を行うこと,移動手段・経路を考えること,自分たちの生活環境(宿泊場所や食事)を確保すること,など多岐にわたる.上記に加えて,今回は石川県珠洲市の施設入所中の高齢者を,インフラが整っている地域へ搬送調整をすることが,大きなミッションであった.朝から夕方まで電話やパソコンを使用し,県の調整本部とやり取りを行い,実際に搬送が決まれば搬送班に依頼をし,さらには間の活動一つひとつを記録に残し……といった形で,5日間活動をした.
Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.