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今月の主題 一度は見ておきたい小腸疾患—非腫瘍性疾患を中心に
序説
一度は見ておきたい小腸疾患—非腫瘍性疾患を中心に
Introduction
松本 主之
1
Takayuki Matsumoto
1
1岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科分野
キーワード:
小腸
,
希少疾患
,
Crohn病
Keyword:
小腸
,
希少疾患
,
Crohn病
pp.1650-1651
発行日 2025年12月25日
Published Date 2025/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.053621800600121650
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- Abstract 文献概要
小腸は消化管の中で最も長い管腔臓器であり,消化と吸収のみならず,胆汁の腸管循環,免疫を介した生体防御,腸内細菌叢の維持など生命維持のために重要な役割を担っている.事実,全大腸切除後は全身状態が比較的良好に保たれるのに対し,小腸大量切除は腸管不全という極めて重篤な病態を呈することが多い.すなわち,小腸は生命維持装置として大変重要な臓器と言える.逆説的に言えば,リンパ球が豊富な免疫装置として重要な臓器であるがゆえに,小腸疾患が比較的少ないのかもしれない.
近年,十二指腸上皮性腫瘍が注目されている.これに対し,空腸・回腸の上皮性腫瘍の発見頻度が顕著に増加したとは言い難い状況である.21世紀初頭に開発・普及したdevice-assisted endoscopyとカプセル内視鏡検査を用いることで,消化管ポリポーシスや遺伝性大腸癌患者などの消化管癌高リスク患者において,小腸上皮性腫瘍が高率に発見される.これに対し,その他の患者では上皮性腫瘍の罹患率が低く,スクリーニング小腸内視鏡検査を推奨する意見は皆無に等しいのが現状である.実際に小腸腫瘍として遭遇する機会の多い腫瘍は悪性リンパ腫,腸管間葉系腫瘍,神経内分泌腫瘍,転移性腫瘍などであり,これらの疾患も比較的まれと言える.
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