診断に迷うIBDの非典型例
家族性地中海熱関連遺伝子腸炎 潰瘍性大腸炎ならびにクローン病との鑑別疾患が困難であった希少疾患例
仲瀬 裕志
1
,
飯田 智哉
,
小野寺 馨
1札幌医科大学 消化器内科学講座
キーワード:
Crohn病
,
鑑別診断
,
大腸炎-潰瘍性
,
変異
,
家族性地中海熱
,
希少疾患
,
Inflammasomes
,
Pyrin
Keyword:
Pyrin
,
Crohn Disease
,
Diagnosis, Differential
,
Colitis, Ulcerative
,
Mutation
,
Familial Mediterranean Fever
,
Rare Diseases
,
Inflammasomes
pp.581-586
発行日 2016年11月20日
Published Date 2016/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2017081484
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炎症性腸疾患(IBD)の病態は多彩であるが,炎症を制御する生体内システムのなんらかの異常が発症に関与していると考えられる.インフラマソームは,炎症性サイトカインの一つであるIL-β産生を制御する細胞内の蛋白質複合体である.外的ならびに内的因子によるインフラマソームの活性化は,種々の疾患の発症に関与しており,そのなかの一つに家族性地中海熱(FMF)がある.われわれは42歳で発症し,FMFの責任遺伝子変異が関連した大腸病変を有する患者を経験した.この経験を踏まえて,IBDの診断におけるfamilial Mediterranean fever gene(MEFV遺伝子)の重要性について述べる.
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