『早期大腸癌』からの20年、『INTESTINE』からの今後20年
[炎症分野]消化管希少疾患への挑戦 非特異性多発性小腸潰瘍症の病態解明
松本 主之
1
,
久松 理一
,
梅野 淳嗣
,
江崎 幹宏
1岩手医科大学 医学部消化器内科消化管分野
キーワード:
Prostaglandins
,
DNA変異分析
,
小腸疾患
,
希少疾患
,
Group IVA Phospholipase A2
,
小腸潰瘍
,
SLCO2A1 Protein
Keyword:
DNA Mutational Analysis
,
Prostaglandins
,
Rare Diseases
,
SLCO2A1 Protein, Human
,
PLA2G4A Protein, Human
pp.91-96
発行日 2016年1月20日
Published Date 2016/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2016150297
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
非特異性多発性小腸潰瘍症は,小児期・青年期に貧血と低蛋白血症を主徴として発症し,回腸に非特異的な組織像を呈する浅い多発潰瘍が認められる難治性疾患である.われわれは本症に同胞発症や両親の血族結婚が認められることから,遺伝的素因を解析した.すなわち,家系内発症症例のエクソーム解析,および肥厚性皮膚骨膜症を伴う小腸潰瘍症家系の遺伝子解析の結果から,原因遺伝子としてプロスタグランジントランスポーターを規定するSLCO2A1が同定された.消化管希少疾患の病態解明には,症例の集積と長期経過追跡による臨床情報の収集が重要と思われる.
Copyright © 2016, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.