Japanese
English
今月の主題 Post H. pylori時代の胃炎・胃症
症例アトラス
ARB関連胃炎
Angiotensin II Receptor Blocker-associated Gastritis
久保倉 尚哉
1
,
小林 広幸
1
Naoya Kubokura
1
1福岡山王病院消化器内科
キーワード:
アンジオテンシンII受容体拮抗薬
,
ARB
,
びまん性胃炎
,
スプルー様腸症
,
ARB関連腸症
,
オルメサルタン
Keyword:
アンジオテンシンII受容体拮抗薬
,
ARB
,
びまん性胃炎
,
スプルー様腸症
,
ARB関連腸症
,
オルメサルタン
pp.47-49
発行日 2025年1月25日
Published Date 2025/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.053621800600010047
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疾患の概要
アンジオテンシンII受容体拮抗薬(angiotensin II receptor blocker ; ARB)に関連したまれな消化管障害として,2012年に米国のRubio-Tapiaら1)により,慢性下痢と体重減少を主症状とし小腸を主座とする吸収不良症候群を来すARB関連腸症が提唱された.その後,ARB関連胃炎は,ARBの一つであるオルメサルタンの服用により高度のびまん性胃炎を来したARB関連胃腸症として,2018年に英国のShenbagarajら2)によって初めて報告された.
臨床症状としては,体重減少,心窩部痛,食欲不振,嘔気などを認め,ARBの休薬により比較的速やかに改善を認める.ARB関連腸症においても胃炎を伴う症例が報告されており3),ARB関連胃炎はARB関連胃腸症の亜型の可能性があると推測している.また,ARB関連腸症には明らかな性差はないとされているが,ARB関連胃炎の報告例については女性に多い傾向を認める.
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