Japanese
English
今月の主題 Post H. pylori時代の胃炎・胃症
症例アトラス
irAE胃炎
Immune Checkpoint Inhibitor-associated Gastritis
三澤 昇
1
,
日暮 琢磨
1
,
山中 正二
2
,
中島 淳
1
Noboru Misawa
1
1横浜市立大学大学院医学研究科肝胆膵消化器病学教室
2横浜市立大学附属病院病理診断科・病理部
キーワード:
ICI
,
irAE
,
irAE胃炎
,
アポトーシス
,
CMV感染性胃炎
Keyword:
ICI
,
irAE
,
irAE胃炎
,
アポトーシス
,
CMV感染性胃炎
pp.50-53
発行日 2025年1月25日
Published Date 2025/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.053621800600010050
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疾患の概要
免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor ; ICI)は,腫瘍細胞による免疫細胞の抑制を阻害することにより,抗腫瘍効果を発揮する1)2).これまでに,PD-1(programmed cell death 1)/PD-L1(programmed cell death ligand 1)やCTLA-4(cytotoxic T-lymphocyte antigen 4)を標的とした薬剤が保険承認されており,これらはいずれも腫瘍細胞に対する免疫反応を活性化することで抗腫瘍効果を発揮する.一方で,さまざまな免疫関連有害事象(immune-related adverse event ; irAE)を引き起こすことが知られている.
消化管はirAEの好発部位であり,なかでも潰瘍性大腸炎様の変化を示すこともある大腸炎は頻度が高く症例も蓄積され,理解が深まってきている.一方,irAE胃炎の発症率は,複数の後方視的研究で,約0.35%〜1.46%と比較的まれである3)〜5).また,irAE大腸炎は,PD-1/PD-L1阻害薬またはCTLA-4阻害薬単剤療法よりも,PD-1/PD-L1阻害薬およびCTLA-4阻害薬との併用療法で発生率が高く6),CTLA-4阻害薬においては用量増加と消化管障害の発生率および重症度との間にも正の相関が認められることが知られているが7)8),irAE胃炎においてはICI単剤療法での報告が多い9).
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