増大号特集 睡眠の正しい理解を促す70のトリビア
Ⅳ章 睡眠障害の治療
Q48 認知症に伴う夜間せん妄や昼夜逆転への対処方法を教えてください
斎藤 かおり
1
,
小宮 志の
1
,
鈴木 貴浩
1
1日本大学医学部精神医学系精神医学分野
キーワード:
認知症
,
dementia
,
不規則睡眠覚醒リズム障害
,
irregular sleep-wake rhythm disorders
,
夜間せん妄
,
nocturnal delirium
Keyword:
認知症
,
dementia
,
不規則睡眠覚醒リズム障害
,
irregular sleep-wake rhythm disorders
,
夜間せん妄
,
nocturnal delirium
pp.732-736
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810670050732
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A 認知症患者では,健常高齢者に比べ昼夜逆転しやすく,夜間せん妄のリスクが高まります。背景には概日リズムを司る睡眠・覚醒調節機構の障害があるとされています。認知症の症状やその他の睡眠障害も二次的な昼夜逆転を引き起こすことがあるため,それらを把握・対処していくことが必要です。昼夜逆転に対しては,日中に十分な光を浴びること,運動をすること,昼寝をする場合は15時以前に,などの睡眠衛生指導に基づいた非薬物的な介入が第1選択となります。夜間せん妄に対して,昼夜逆転に留意して非薬物的介入,薬物療法を適宜行うことが有用な場合があります。

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