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あとがき
絹笠 祐介
pp.172
発行日 2026年2月20日
Published Date 2026/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570810010172
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大学病院にて勤務をしていると,見たこともないような症例に出くわします.明らかに外科の患者ではなくても,入り口として(引き取り手として)外科が担当する患者が多いのは,外科医は全身をみることができ,いざとなったとき,手術ができるからでしょう.特に大学病院に多いことかもしれませんが,患者を診たがらない医者をよく見かけます.特に内科系に多いようです.研究に忙しいのかもしれませんし,そもそも研究にしか興味ないのかもしれません.一方で,私の周囲の外科医にはよく患者を診てくれる医師が多いのは,大変うれしい限りです.結局,そのような患者を診たがらない医者に治療をお願いしても,よい結果に結びつかないことが多いのですけどね.カンファレンスなどで学生や研修医がいると,「患者を診たくならないなら,医者にならなければよいのに」とか「患者を診たがらない診療科は,結局つまらない診療科なんだよ」などと言って,外科医のリクルートに結びつけるようにしています.
最近の大学は,時代の流れにのって,海外留学経験だとか,AI関連,ベンチャー企業立ち上げの講義などの時間を増やし,臨床や基礎研究を教える時間が減少しています.これでは医学部としての底力が弱まるばかりです.なぜ医師を志したのか? 大学試験の面接時に必ず聞く質問ですが,そのときに答えた模範解答のような医師・研究者になってもらいたいものです.私は医者である以上,患者を診続けたいと思いますし,外科医である以上手術をし続けたいと思っています.

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