増刊号 周術期管理マニュアル—保存版
Ⅲ術式別の術前・術中・術後管理
肝
大量肝切除・二期的肝切除・化学療法後の肝切除
進藤 潤一
1
Junichi SHINDOH
1
1虎の門病院消化器外科
pp.173-176
発行日 2025年10月22日
Published Date 2025/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800110173
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
術前管理
●画像評価と治療プランニング
肝悪性腫瘍に対する治療のプランニングにおいては,正確な画像評価や治療前肝機能評価がその第一歩となる.原発性肝癌,転移性肝癌にかかわらずdynamic CTによる肝内病変の評価,肝外転移の有無の評価は必須である.脂肪肝などが存在する症例においては造影CTによる病変の評価が困難であることが多いため,正確な病変の存在診断のためにはEOB造影MRIによる評価が望ましい.肝機能に関してはいわゆるChild-Pughスコアの構成因子であるアルブミン値,総ビリルビン値,プロトロンビン時間,腹水の有無,脳症の有無から大まかな肝予備能を評価するとともに,血小板数から肝の線維化の程度を予測し,手術治療の適否に関する判断をまず行う.

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.

