増刊号 周術期管理マニュアル—保存版
Ⅲ術式別の術前・術中・術後管理
小腸・大腸
腹会陰式直腸切断術(側方郭清を伴う)
笠井 俊輔
1
,
塩見 明生
1
,
眞部 祥一
1
,
山岡 雄祐
1
,
田中 佑典
1
,
井垣 尊弘
1
Shunsuke KASAI
1
1静岡県立静岡がんセンター大腸外科
pp.141-145
発行日 2025年10月22日
Published Date 2025/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800110141
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術前管理
●適応
直腸癌の術前診断では,直腸診,注腸造影,下部消化管内視鏡,CT,MRIを用いてTNM分類によるstagingを行い,手術を中心とした治療戦略を計画する.特に下部直腸癌の術式選択においては,直腸診による腫瘍の局在や可動性,肛門括約筋のトーヌスの評価が重要である.女性の場合は,必要に応じて腟からの内診を行い,腟壁浸潤の有無や浸潤範囲を評価する.腹会陰式直腸切断術の適応は以下に示す通りで1),直腸癌の評価だけでなく患者背景を加味した術式選択が求められており,外来初診時から十分なインフォームド・コンセントを得る必要がある.

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