増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル
Ⅲ章 術式別の術前・術中・術後管理
小腸・大腸
腹会陰式直腸切断術(側方郭清を伴う)
渡部 顕
1
,
大田 貢由
1
Mitsuyoshi OTA
1
1横浜市立みなと赤十字病院大腸外科
pp.131-133
発行日 2019年10月22日
Published Date 2019/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212679
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術前管理
●術前検査
直腸癌の病期診断に必要な検査に加えて,併存疾患の評価や全身麻酔に必要な検査を行う.高齢者では心疾患や脳血管性疾患に関連して抗凝固薬を内服している症例が多いので,問診で明らかにしておく.抗凝固薬の内服が明らかになった場合には,周術期における抗凝固薬の中断,変更について各疾患の担当医と協議したうえで方針を決定している.
直腸切断術では縫合不全のリスクはないものの,骨盤死腔炎が特徴的な術後合併症の一つで,危険因子として糖尿病や年齢,術前化学放射線療法が報告されている1).介入可能な糖尿病については術前に専門科と相談し,良好なコントロールを行うことが必須である.
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