Japanese
English
臨床報告
自然解除したため診断に難渋した胆囊捻転症の1例
A case of the gallbladder torsion with difficulty in diagnosis due to spontaneous detorsion
下茂 由希子
1
,
濱田 哲宏
2
,
西野 雅行
2
,
大橋 浩一郎
2
,
宇多 優吾
2
,
岡田 敏弘
2
Tetsuhiro HAMADA
2
1山梨県立中央病院外科
2宝塚市立病院外科
キーワード:
胆囊捻転
,
捻転解除
,
急性胆囊炎
Keyword:
胆囊捻転
,
捻転解除
,
急性胆囊炎
pp.1002-1007
発行日 2025年8月20日
Published Date 2025/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800081002
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要旨
症例は40歳台,男性.突然発症した腹痛のために救急搬送となった.腹部全域の圧痛が認められた.精査の結果,急性胆囊炎の診断となり,搬送当日に外科コンサルトとなった.外科初診時には腹痛は劇的に軽減しており,腹痛の原因が胆囊炎とは判断できなかった.後日,経過観察目的に施行した腹部超音波検査,MRI検査では胆囊の壁肥厚は消失していた.本例では,胆囊捻転発症後,診療経過中に捻転が解除されたことによって症状や画像所見が変化したと考えられた.急性腹症において,急性胆囊炎の画像所見があるものの急速に症状が改善している場合には,胆囊捻転の自然解除を念頭に置く必要があると考えられた.

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