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特集 障害者の進学・大学生活・留学
特集に寄せて—障害者の高等教育の現状と課題
Perspectives of higher education for people with disabilities
緒方 徹
1
Toru Ogata
1
1東京大学医学部リハビリテーション医学講座
1Department of Rehabilitation Medicine, The University of Tokyo
キーワード:
進学
,
健康管理
,
学内支援
Keyword:
進学
,
健康管理
,
学内支援
pp.245-248
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530030245
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リハビリテーションと高等教育
リハビリテーション治療のフレームワークとなる国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health:ICF)において教育を受けることは,これを通学と学習と捉えると参加の要素として考えやすく,実際の臨床の場においても中途障害であれば復学,発育期からの障害であれば学校の選択とその通学生活の確立に向けて,訓練や環境調整,社会資源の活用が進められる.一方で,教育は当事者の成長を促進するものであり,特に高等教育〔中等教育(中学校・高校)を修了した後に進学する大学や専門学校などでの教育〕は知識や専門性,そして就労能力の獲得にもつながってくることから個人因子とも考えることができる.さらに多くの場合,生活期のなかで高等教育が行われることが想定されることから,生活期リハビリテーションのテーマの一つとして考えることもできる.
しかしながら,リハビリテーションの日常診療の現場において,こうした高等教育の現場で障害者が直面する課題とその解決方法について,詳細な状況を整理し把握する,あるいは解決方法を踏まえてリハビリテーションの方針決定に反映させる機会は少ない.本特集では教育のなかでも高等教育に焦点を絞ることで,その現状や課題についてさまざまな視点から掘り下げていきたい.今回,4名の著者にさまざまな視点からご寄稿をいただいた.本稿では障害者の高等教育について文部科学省で取りまとめられている「障害のある学生の修学支援に関する検討会」の報告書1)をもとに全体像を示すとともに,各稿の位置づけを紹介したい.

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