増刊号 眼科診療のピットフォールあるある—対応スキル爆上げのヒント
11.斜視・弱視
眼球運動障害—見落としてはいけない麻痺性斜視
根岸 貴志
1
1順天堂大学医学部眼科学講座
キーワード:
麻痺性斜視
,
眼球運動障害
,
ぼやけ
Keyword:
麻痺性斜視
,
眼球運動障害
,
ぼやけ
pp.320-322
発行日 2025年10月30日
Published Date 2025/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037055790790110320
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はじめに
麻痺性斜視は,外来診療で遭遇する眼球運動障害の代表的疾患であるが,患者自身の訴えが不定愁訴的になる傾向もあり,ミスリーディングによって診断に影響が生じる。主訴が「急にぼやける」という場合,屈折異常や網膜疾患などを念頭に置きがちであるが,「2つに見える」ということを「ぼやける」としか表現できない患者が一定数おり,その主訴が複視なのかどうかを見抜くことがきわめて重要である1)。

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