増刊号 眼科診療のピットフォールあるある—対応スキル爆上げのヒント
11.斜視・弱視
弱視—背景にある病態を見逃さない!
安田 小百合
1
1名古屋大学大学院医学系研究科眼科学・感覚器障害制御学教室
キーワード:
弱視
,
屈折異常
,
斜視
Keyword:
弱視
,
屈折異常
,
斜視
pp.323-328
発行日 2025年10月30日
Published Date 2025/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037055790790110323
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はじめに
ヒトは視機能が未熟な状態で生まれ,網膜に適切な視覚刺激を受けることで視機能が発達する。視覚の感受性は1歳半頃にピークを迎え,8歳頃に低下することが知られており1),その期間内に何らかの原因で視覚刺激が得られないと脳の発達が妨げられ,適切な屈折矯正を行っても視力が出ない「弱視」となる。弱視は早期介入ができれば視機能の発達が期待されるが,視覚の感受性期間を逃すと,その後の視機能発達は困難である。いかに早期に弱視を拾い上げ,適切な治療介入を行うかが最大の課題となる。一次診療においては,乳幼児の非協力性や症状の非特異性がハードルとなり,弱視が見落とされることがある。本稿では,臨床現場で見逃しやすいピットフォールについて,具体的な症例を交えて提示し,一般眼科医が明日から使える対応スキルを解説する。

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