増刊号 眼科診療のピットフォールあるある—対応スキル爆上げのヒント
3.緑内障
緑内障の治療①—患者のvision-related quality of lifeを守る!
西田 崇
1
1カリフォルニア大学サンディエゴ校眼科
キーワード:
緑内障
,
視機能
,
Vision-related quality of life
,
VRQOL
Keyword:
緑内障
,
視機能
,
Vision-related quality of life
,
VRQOL
pp.91-95
発行日 2025年10月30日
Published Date 2025/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037055790790110091
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はじめに
緑内障は進行性の視神経障害を特徴とし,早期には自覚症状が乏しいものの,進行すると日常生活や社会活動に影響を及ぼす疾患である。その治療の目的は単に眼圧を下げることだけでなく,患者のvision-related quality of life(VRQOL)を維持し,長期にわたり視機能を保つことが求められている。たとえ視野障害が軽度であっても,暗所での見えづらさや自動車運転(以下,運転)への不安,点眼治療の負担感などを通じて,患者はすでにVRQOLの低下を感じていることがある。また,高齢者においては視野障害に伴う転倒や交通事故のリスクも高まることが示されており,治療が患者の社会生活や安全性に与える影響を包括的に捉える視点が求められている。本稿では,VRQOLの観点から治療を考える重要性について解説する。

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