連載 Go to the people——バングラデシュと共に歩んだ私の国際保健50年
第二十八編
石川 信克
1,2
1公益財団法人結核予防会
2結核予防会結核研究所
pp.921-925
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.036851870890100921
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首都ダッカは結核医療の無法状態だった
2002年より、国による首都ダッカ市の結核対策DOTS(directly observed treatment, short course)の取り組みが始められた。1990年代に始められた全国の460を超える郡保健センター(ウパジラ保健センター)の結核対策DOTSが軌道に乗り、都市部に力点が移されるようになった。チッタゴン市は、都市部における結核対策を小規模に試す場としての役割を果たした。
ダッカ市は、1,000万人の人口を抱えた大都市で、人口増加率は2.2%、15%はスラム地域に居住しているとされていた。その人口規模や複雑な社会状況から、新しい結核対策の拡大や充実には、乗り越えるべき多くの障害や課題が存在していた。

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