連載 Go to the people——バングラデシュと共に歩んだ私の国際保健50年
第二十一編
石川 信克
1,2
1公益財団法人結核予防会
2結核予防会結核研究所
pp.279-282
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.036851870890030279
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マニックガンジの試行プロジェクトの成果
結核対策の成果としては、約200人の保健ボランティアが見つけた結核患者(喀痰塗抹陽性)は、年間50人程度であり、推定であるが、マニックガンジ郡における推定罹患患者の30%くらいをこの結核対策プログラムで見つけたことになる。当時、国の結核センターによる国全体の患者発見率は10%程度だったので、数倍高い。しかも治療完了率は72%で、結核センターの10%に比べはるかに良い成績であった。この仕組みはまだ十分に確立していないが、素晴らしい出来栄えであった。専門的視点からは幾つかの課題や限界もあったが、これを継続的に進めて行く意義はあった。そのためにもしばらくは見守り、支援をしてゆく必要はあった。
一方、保健ボランティアの仕事の中で、意識向上、社会的地位の向上が起こっている様子を前回(第二十編)、紹介した。特に結核患者のケアに関わる中で、その効果が一層増しているのではないかと思えた。私は、その様子をぜひ記録せねばならないという思い、そして、できるだけたくさんの保健ボランティアたちから、活動によって自分がどう変わってきたか、ライフヒストリーを聞き出して論文にできないか、というひそかな野心も出てきた。

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