連載 ヒトとモノからみる公衆衛生史SEASON 2・4
近代日本における精神医療・政策の従事者—戦前期における精神病者、精神病学者、看護人、衛生警察
後藤 基行
1
1立命館大学大学院先端総合学術研究科
pp.917-920
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.036851870890100917
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はじめに
現在の精神保健医療福祉に関与する専門職、あるいは関連職種は非常に多岐にわたっている。一部を挙げてみるだけでも、精神科医、看護師(特に精神科看護師)、臨床心理士、精神保健福祉士(psychiatric social worker: PSW)、作業療法士(occupational therapist: OT)といった名前が浮かぶ。しかし、当然ながらこれらの職種は特に戦後において発展、分岐してきたものであり、歴史的には多くが比較的新しい存在である。本連載では、精神疾患をめぐる呼称の変遷とともに、近代日本の歴史において精神医療・政策に関わってきた幾つかの職種に注目しつつ、広義の公衆衛生的な見地からそれらを紹介していきたい。

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