連載 Go to the people——バングラデシュと共に歩んだ私の国際保健50年
第二十四編
石川 信克
1,2
1公益財団法人結核予防会
2結核予防会結核研究所
pp.556-561
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.036851870890060556
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結核対策試行研究のその後
プライマリ・ヘルスケア(PHC)における結核対策の課題は、私にとっては草の根レベルのものが中心であったが、予想を超えて、国家レベルのものへと展開することになった。サバール、ダムライ両郡における郡保健センターでの結核対策の試行研究により、ある程度の国レベルの対策への参与ができた。この後は、それまで関わってきたマニックガンジ郡での保健ボランティアによる結核対策のフォロー、南のボリシャル県の地域保健活動への支援、カトリック教会付属の結核クリニックへの支援などを続けることになっていた。
一方、保健省では世界保健機関(World Health Organization: WHO)の強力な支援による新しい結核対策の計画が進められていた。これには世界銀行による予算支給を背景にして、WHOの結核課長古知新(こちあらた)氏の強力なてこ入れがあった。

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