予防と臨床のはざまで
第34回国際産業衛生学会インプレッション
福田 洋
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1順天堂大学大学院医学研究科先端予防医学・健康情報学講座
pp.750
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401210343
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4月28日から5月3日まで、第34回国際産業衛生学会(International Congress on Occupational Health: ICOH)2024が開催されました(https://www.icoh2024.ma)。1906年にイタリアで発足した100年以上の歴史を誇る産業衛生分野最大の国際学会で、コロナ禍で完全オンラインとなった前回の2022年のメルボルンを挟み、2018年のダブリンから対面としては6年ぶりの開催となりました。マラケシュはエネルギッシュなナイトマーケットでも有名なモロッコ第2の都市で、世界遺産にも登録された旧市街(メディナ)には迷路のようなスーク(市場)が広がります。会場は、特徴的な薄いピンクのしっくいの街並みと同じ色のマラケシュ国際会議場で、フランス領だったこともあり、街中の言語はフランス語が中心です。
学会のテーマは“Enhancing Occupational Health Research and Practices: Closing the Gaps!”。蓄積されてきたエビデンスと実践のギャップを埋めるために世界中の専門家がもてる知識、技術、トレンドと経験を基に対面・多職種で議論しようという狙いで、コロナが明けたというメッセージを含むテーマだと思います。学会初日(DAY0)は理事長のあいさつ、世界保健機構(WHO)、国際労働機関(ILO)、欧州連合(EU)、地元医師会の祝辞などが続くオープニングセレモニーと、学会の雰囲気を形作る重要なオープニングプレナリー(開幕基調講演)が行われました。
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