増大号 極める!呼吸機能検査 患者を診る力が成功のカギ
5章 機能的残気量測定の失敗例とその対応
FRCの息漏れ
清水 康平
1
1東邦大学医療センター大森病院臨床生理機能検査部
キーワード:
息漏れ
,
姿勢
,
ノーズクリップ
,
マウスピースの高さ
Keyword:
息漏れ
,
姿勢
,
ノーズクリップ
,
マウスピースの高さ
pp.238-242
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530020238
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原因分析
機能的残気量(functional residual capacity:FRC)測定はいくつか測定方法があるが,多くは一定時間安静換気を続ける検査となり,検査時間が他の検査に比べ,長いことが多い.中には変化がわずかなため,見極めるのに注意を要するものも多い.開放回路法であれば検査時間が7分と一定であるが,Heを指示ガスとした閉鎖回路法ではHeガスの移動がなくなったところで検査終了となるため,患者によって検査時間が異なる.一般的に,検査時間が換気量や閉塞性換気障害が強い場合,肺内ガス分布不均等などに由来すると考えられる(表1).
検査時間が長くなるとその分,口元のマウスピースが外れたり,姿勢がつらくなり検査継続が困難になったりといったトラブル発生の確率が高くなる.そのため,姿勢など検査開始から気を付けておくとよい.
*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2028年2月29日まで)。
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