増大号 極める!呼吸機能検査 患者を診る力が成功のカギ
4章 フローボリューム波形と患者状態から読み解く失敗例とその対応(努力肺活量測定)
—アドバイス—気管切開をしている患者への対応
清水 康平
1
1東邦大学医療センター大森病院臨床生理機能検査部
キーワード:
気管切開
,
スピーチカニューレ
,
スピーチバルブ
,
開窓状態
,
息漏れ
Keyword:
気管切開
,
スピーチカニューレ
,
スピーチバルブ
,
開窓状態
,
息漏れ
pp.226-227
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530020226
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はじめに
外科的気管切開術は,呼吸障害を伴う上気道狭窄または閉塞に対する気道確保や下気道の管理を目的に行われる外科的気道確保法の1つである.上気道狭窄または閉塞をきたす疾患として,口腔,咽頭,喉頭,頸部気管まで及ぶ腫瘍や炎症,浮腫に加え,外傷や先天性異常が挙げられる.
最近では開窓状態のままであることは少なく,多くがバルブ付きのカニューレを用いている.開窓状態のままであれば,呼吸は気管切開部で行われ,発声が難しく,声が出せない.一方で,バルブ付きカニューレでは一方弁となっており,吸気時は弁が解放され,バルブ部分から吸気が行われ,呼気時はバルブが閉じ,声帯を経由して呼気が行われる.このため,発声が可能となる.
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