特集1 へき地・離島がひらく可能性 これからの社会に必要な視点
地域のフィールドを活用した診療所実習で学生が得るもの
栗本 一美
1
,
丸山 純子
1
,
大島 由美
1
1新見公立大学健康科学部看護学科
pp.422-427
発行日 2025年8月25日
Published Date 2025/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.004718950660040422
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新見市と本学の概要
新見市は、岡山県の最西北端に位置し、鳥取・広島両県と接する自然豊かな中山間地域の市です。市域の約86%が森林を占め、石灰岩台地や鍾乳洞、温泉などの自然資源に恵まれています。2005年に周辺4町と合併し現在の市制となり、人口約24,686人(2025年現在)、高齢化率は約41.4%と全国平均を大きく上回っています。人口減少と高齢化が進む中、「人と地域が輝く源流共生のまち」を掲げ、地域資源を生かした産業振興や移住促進、福祉の充実に取り組んでいる市です。
新見市の主な医療・福祉関連施設においては、新見市内中心部に入院ができる小規模の医療機関が4か所、そのほかに診療所やクリニックが点在しています。訪問看護ステーションは全3か所あり、新見市全域をカバーしています。また、新見市は、独居高齢者や高齢者世帯が多く、公共交通機関の利便性も低いため、医療機関の受診などは自家用車を用いるか、近隣住民に同乗させてもらう、または半日以上の時間をかけて公共交通機関を利用して移動しなければならない現状があります。

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