特集 新カリキュラム3年目、これからの地域・在宅看護論を考える
教員も学生も自身の生活者目線で「家族」を考える―家族看護を難しく考えていませんか?
櫻井 大輔
1
1東海大学医学部看護学科
pp.28-33
発行日 2025年2月25日
Published Date 2025/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.004718950660010028
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はじめに
第5次指定規則改正を受けて2022年に看護基礎教育のカリキュラム改正が行われ、「在宅看護論」から「地域・在宅看護論」へと枠組みが変わりました。単位数の増加も伴い、科目の内容に「家族看護」を取り入れることを検討された看護師養成校は多く、家族支援専門看護師でもある筆者は、講義依頼が急増した印象を抱いています。地域・在宅看護論においては、看護が展開される場の特性から、対象としての家族の理解、すなわち家族看護学の知識が重要となると認識されたのだと思います。また、伝える側の教員が家族看護を学習しておらず、どのように伝えていったらよいのか分からないといったことも考えられます。筆者は、家族看護を特別なものとして伝えていく必要はないと考えていますが、実情としてはどうも個人を対象とした(いわゆる一般の)看護とは異なる特別なものとして認識されているようです。
そこで、看護基礎教育に携わる家族支援専門看護師として、家族看護をどのように伝えていくとよいのかを、読者のみなさまに「自分にもできる」と思っていただけるように、本稿でひもといていきたいと思います。
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