特集 【研究する人間】木下康仁先生の功績と足跡
Ⅰ.研究者として,教育者として—木下康仁先生との在りし日
Ⅰ-1 社会学
この世界に内属しつつ,自ら徹底的に思考し,この社会を変革せんと実践すること—木下康仁先生が問い続けたこと
天田 城介
1
1中央大学文学部
pp.12-15
発行日 2025年2月15日
Published Date 2025/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002283700580010012
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私は,木下康仁先生が立教大学社会学部社会学科にご着任された1993年4月に,先生が担当された「老人福祉論」を大学3年生で履修し,その圧倒的かつ衝撃的な内容に打ちのめされたがために,(私は先生が所属していた社会学科ではなく,産業社会学科の学生であったので)非公式な形で(つまりモグリで)当時ゼミ生4名のみであった木下ゼミに参加し,大学4年生では(異例ながら)卒業論文を先生の下で執筆した。その後,先生のように思考したいという願いだけで1995年に立教大学大学院の修士課程に,1997年に博士後期課程に進学した(2000年3月に博士後期課程修了)。その意味で,7年間にわたってご指導をいただいた不肖の一番弟子だ。その後,2002年度から13年間,私は東京を離れていたが,その間も,そしてその後も先生から多々ご教示いただいて今日に至っている。否,この世界に内属しながら自らが問いを立て思考することの全ては先生から学んだと言ってよい(天田, 2018b, 21)。
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