マイオピニオン
極北からよき皮膚科医を育てる
藤田 靖幸
1
Yasuyuki FUJITA
1
1旭川医科大学医学部皮膚科学講座
pp.974-975
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790130974
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1. はじめに
このたび2025年5月1日付で旭川医科大学皮膚科の教授に着任しました藤田靖幸と申します.北海道はご存じのように九州7県よりも広大な大地の医療を3大学で維持していますが,ご多分に漏れず人口の4割は札幌市,周辺都市を合わせると6割以上が道央圏に一極集中しており,本学は主に道北エリアを広くカバーする役目を期待されています.
日本の保険診療を柱とした医療制度は,言うまでもなくさまざまな点で歪みが修正困難になりつつあります.社会保険料の負担増が国民の不満に直結している現状を考慮すると,今の保険制度は早晩崩壊…とまでは行かなくとも,セルフメディケーションとスイッチOTCの歯止めがきかなくなって,プライマリーな皮膚科診療が打撃を受ける可能性は否定できません.勤務医にしても,ある程度の重症患者や手術患者を引き受ける,高額な診療報酬につながる治療を実践できる,などの病院経営に直結する存在価値を提示しなければ,人口減と赤字経営を理由に皮膚科不要の判断を下す地方病院が出現してもおかしくありません.それどころか,国は総合病院自体を減らしたがっている雰囲気さえ感じます.そのような世の中で,当学のような地域医療型の教室はどのように立ち振る舞うべきでしょうか.浅学非才がない知恵を絞っても限界がありますが,着任してから考えていることを少し述べたいと思います.
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