Japanese
English
症例報告
タクロリムス外用の関与が考えられた下口唇放線菌症の1例
A case of actinomycosis of the lower lip casually related to topical tacrolimus treatment
藤田 靖幸
1
,
横田 浩一
1
,
清水 宏
1
Yasuyuki FUJITA
1
,
Koichi YOKOTA
1
,
Hiroshi SHIMIZU
1
1北海道大学大学院医学研究科皮膚科学分野
1Department of Dermatology,Hokkaido University Graduate School of Medicine
キーワード:
放線菌
,
口腔扁平苔癬
,
タクロリムス
,
生検-口唇
,
semi-nested PCR法
Keyword:
放線菌
,
口腔扁平苔癬
,
タクロリムス
,
生検-口唇
,
semi-nested PCR法
pp.17-19
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100003
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要約 64歳,男性.初診の5か月前から下口唇に出血・びらんを認め,生検にて扁平苔癬と診断された.タクロリムス外用にて改善傾向を示していたが,生検2か月後から同部位に丘疹が出現,緩徐な拡大傾向を示した.組織所見では粘膜固有層の著明な炎症細胞浸潤と粘膜成分の混入,および縫合糸の残存を認めた.また明らかな棍棒状突起を伴う好塩基性塊状物質(sulfur granule)が認められた.パラフィン切片からsemi-nested PCR法にてActinomyces israeliiに特異的なribosomal RNA遺伝子を証明した.以上より,放線菌症と診断した.口唇生検後に本症を生じた報告はなく,発症にはタクロリムス外用の関与が推測された.
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