Japanese
English
症例報告
副乳より生じた線維腺腫の1例
A case of fibroadenoma arising from the accessory breast
笹川 真帆
1
,
三宅 亜矢子
1
Maho SASAGAWA
1
,
Ayako MIYAKE
1
1稲城市立病院皮膚科
1Division of Dermatology, Inagi Municipal Hospital, Inagi, Japan
キーワード:
副乳
,
線維腺腫
,
腋窩腫瘤
Keyword:
副乳
,
線維腺腫
,
腋窩腫瘤
pp.481-485
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790070481
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要約 44歳,女性.初診2か月前から自覚する左腋窩の腫瘤を主訴に受診した.左腋窩に径2 cm,弾性軟の可動性良好な皮下腫瘤を触れ,超音波検査では境界明瞭な低エコー領域と内部に点状の高エコー像を認めた.アポクリン汗腺由来の腫瘍を鑑別に摘出した.病理組織所見では弱拡大で間質の増生と圧排された裂隙状の管腔構造がみられた.強拡大では2相性の保たれた乳管がみられ,その周囲に浮腫状の間質と異型性のない線維芽細胞の増生がみられた.以上より副乳から発生した線維腺腫と診断した.術後は再発なく経過している.線維腺腫は若年女性の乳腺に好発する良性腫瘍である.副乳は腋窩に好発する乳腺原基の遺残物であり,通常の乳腺同様に線維腺腫をはじめ種々の病変が発生する.副乳から発生した線維腺腫は報告例が少なく,超音波所見の記載はほとんど見当たらないが,線維腺腫は経時的に所見が変化することが知られており,診断の一助となりえると考えた.

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