Japanese
English
症例報告
左乳房下の乳腺堤線上に生じ副乳由来と考えた線維腺腫の1例
A case of fibroadenoma derived from supernumerary breast which presented along the embryonic milk line below the left breast
小川 夕貴
1
,
伏間江 貴之
1
,
小田 俊輔
1
,
村田 有也
2
,
吉田 哲也
1
Yuki OGAWA
1
,
Takayuki FUSUMAE
1
,
Shunsuke ODA
1
,
Yuya MURATA
2
,
Tetsuya YOSHIDA
1
1国立病院機構東京医療センター皮膚科
2国立病院機構東京医療センター臨床検査科病理
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Tokyo Medical Center, Tokyo, Japan
2Division of Pathology, National Hospital Organization Tokyo Medical Center, Tokyo, Japan
キーワード:
線維腺腫
,
副乳
,
乳腺堤線
,
milk line
Keyword:
線維腺腫
,
副乳
,
乳腺堤線
,
milk line
pp.998-1002
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207143
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要約 27歳,女性.初診2か月前より左乳房下に1.5 cm大の有痛性皮下結節を自覚し当院を受診.超音波検査で皮下脂肪織内に境界明瞭な,内部濃度均一の低エコー像を認めた.血管平滑筋腫や神経原性腫瘍を鑑別に手術にて摘出した.肉眼的には線維性被膜に被包された表面平滑な腫瘍であり,病理組織学的に線維性間質を背景に腺管上皮の増生を認めた.腺管上皮は免疫染色でER,PgR,FOXA1,GATA-3のすべてが陽性であった.腫瘍が乳腺堤線上に位置していたことから,自験例を副乳由来の線維腺腫と診断した.線維腺腫は乳腺外科領域で最多の乳腺良性腫瘍であり,腋窩や軀幹に生じた副乳での発生も報告されている.皮膚科診療においては稀な疾患であるが,乳腺堤線上の皮下腫瘍をみた際の鑑別疾患として重要であると考えられた.
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